判断ミス
日焼けした気の強い体育系女子校生が、太ったキモいオッサンに乗っ取られます。
「へへ、ちょっといいかなお嬢ちゃん?」
「はい?」
反射的に返事をしながら振り向いた少女は、呼び掛けてきた相手を見た瞬間「しまった」と思った。
「そんなあからさまに警戒しなくてもいいだろ?」
ねちっこい口調でそう言いながら、ニヤニヤと笑う太った男性。
汗ばんで張り付いたシャツ、脂ぎってテカった肌、禿げて島が出来ていながら手入れせずボサボサになった髪、全てにおいて生理的に受け付けにくい容姿の中年に警戒する少女。
「何の用ですか?」
警戒する理由はそれだけではない。
この男性の見た目が、ここ数日この周辺で現れ女性に声をかけている不審者の特徴とよく似ているのだ。
男性が何か行動を起こさないか気にしながらすぐ近づけない距離から睨み付ける。
「いやね、おじさんちょっと面白い事が出来るようになったらしくてね?お嬢ちゃんで試させて欲しいんだ。」
「はあ?なに言ってるのアンタ!」
やっぱり「危ない人」だったみたいだ。そう判断した少女は逃げ出すタイミングを見計らうために男性の目を鋭く見つめた。
が、
「へへへ、ちょっと遅かったねお嬢ちゃん。」
男性の容姿から走って追いかけてこない、運動をしている自分ならこれだけ距離があれば直ぐに逃げられる。
その自信が文字通り命取りとなった。
「え?あっあぁ…!?」
突如少女がビクンと身体を振るわせ短い悲鳴をあげる。
「や、やだ…ぁ…入ってこないでぇ…」
苦しそうに身体を震わせながら膝をつき、必死に何かに抵抗するような様子を見せる少女。
そんな少女に対して心配するそぶりを見せず、むしろ嬉しそうにニヤニヤと下卑た笑顔のままそれを眺める男性。
そして…
「じゃあねお嬢ちゃん。次に会うときには――」
男性は何かを言いかけた所で意識を失い、前のめりに倒れ動かなくなった。
――
「うっ…ふぅ……」
男性が倒れて数秒後。
先ほどまで苦しんでいた少女が呼吸を落ち着かせ立ち上がった。
道端に倒れた男性を一瞥するも特に気に留めず、自分の身体を嘗め回すように眺めて確認し始めた。
「へへへ…成功したぞ!」
少女らしからぬ…目の前で倒れている中年男性とよく似た「ねちっこい口調」で「下卑た笑み」を顔に張り付かせながら、小麦色に焼けた自らの腕をうっとりとした表情で撫で回す。
「いいねぇ、この健康的に焼けた肌って言うのは…」
体育系の部活動をしている少女は細くて引き締まった体つきをしており、小麦色の健康的な肌にとても似合っている。
太もも、お尻、腰…そのスレンダーな身体をベタベタと、いやらしい手つきで触り始めた。
「ん~引き締まってるね~♪」
自分の胸を下から持ち上げ、グニュっグニュっと揉みしだく。
「ぐへへ!おっぱいはちゃんとやわらかいねぇ…それに、思ってたより大きいじゃないか…じゅる」
着やせするのか、想像以上に揉み応えのある自分の胸の感触によだれを垂らす少女。
いや、正確には少女の身体を乗っ取った中年男性だ。
「残念だったねお譲ちゃん、睨み付ける暇があったら早く逃げておけば助かったのにねぇ…ぐへへ!」
男性は数日前、「10秒相手と目を合わせると」その身体に憑依する能力を手に入れていた。
一度身体を乗っ取られたら元の持ち主は一切抵抗出来ない強力な力だが、10秒見つめる合うというのは意外と難しく、その結果がここ数日の不審者情報だったのだ。
恐怖して逃げ出さない気の強い性格と、逃げ切れるという絶対的な自信がある少女の性格のお陰で、男性はまんまと若い肉体を手に入れる事が出来たのだった。
「さて、そろそろ記憶も分かってきたし帰ろうかな?」
表情も雰囲気も普通の少女にしか見えない。
一通り少女の肢体や五感を堪能している間にしっかりと身体が馴染んだみたいだ。
「今までありがとな「俺の身体」、もし無事だったらセックスでもしてやるよ」
が、やはり中身は男性だ。気を抜くと瞬時にイヤらしい歪んだ表情と口調に戻る。
男性の身体は受け身を取らずに正面から倒れたせいで出血し、地面に血液が溜まり始めたが心配する素振りを見せずに背中を向けた。
そもそも、能力の特性の関係上脱け殻となった元の身体に戻るのは困難だし、今更戻りたいと思うほど男性の人生は充実していなかった。
「ん~やっぱり身体が軽いのはいいなぁ♪」
数歩歩いただけで肉体の若さを実感し、嬉しさのあまり軽く跳びはねてみる。
直ぐに息切れしていた元の身体と違って、軽くてしなやか、そして力強い。
スタイルや元の性格がやや好みと違うが、他に気に入った女性を見つけたら乗り換えれば良い。今の姿なら女性と目を合わせるのも難しくないだろう。
「これからの生活が楽しみだよ瑞希ちゃん♪ステキな身体をくれてありがとう!」
軽やかにスキップをしながら、少女は夕闇に消えていった。
「はい?」
反射的に返事をしながら振り向いた少女は、呼び掛けてきた相手を見た瞬間「しまった」と思った。
「そんなあからさまに警戒しなくてもいいだろ?」
ねちっこい口調でそう言いながら、ニヤニヤと笑う太った男性。
汗ばんで張り付いたシャツ、脂ぎってテカった肌、禿げて島が出来ていながら手入れせずボサボサになった髪、全てにおいて生理的に受け付けにくい容姿の中年に警戒する少女。
「何の用ですか?」
警戒する理由はそれだけではない。
この男性の見た目が、ここ数日この周辺で現れ女性に声をかけている不審者の特徴とよく似ているのだ。
男性が何か行動を起こさないか気にしながらすぐ近づけない距離から睨み付ける。
「いやね、おじさんちょっと面白い事が出来るようになったらしくてね?お嬢ちゃんで試させて欲しいんだ。」
「はあ?なに言ってるのアンタ!」
やっぱり「危ない人」だったみたいだ。そう判断した少女は逃げ出すタイミングを見計らうために男性の目を鋭く見つめた。
が、
「へへへ、ちょっと遅かったねお嬢ちゃん。」
男性の容姿から走って追いかけてこない、運動をしている自分ならこれだけ距離があれば直ぐに逃げられる。
その自信が文字通り命取りとなった。
「え?あっあぁ…!?」
突如少女がビクンと身体を振るわせ短い悲鳴をあげる。
「や、やだ…ぁ…入ってこないでぇ…」
苦しそうに身体を震わせながら膝をつき、必死に何かに抵抗するような様子を見せる少女。
そんな少女に対して心配するそぶりを見せず、むしろ嬉しそうにニヤニヤと下卑た笑顔のままそれを眺める男性。
そして…
「じゃあねお嬢ちゃん。次に会うときには――」
男性は何かを言いかけた所で意識を失い、前のめりに倒れ動かなくなった。
――
「うっ…ふぅ……」
男性が倒れて数秒後。
先ほどまで苦しんでいた少女が呼吸を落ち着かせ立ち上がった。
道端に倒れた男性を一瞥するも特に気に留めず、自分の身体を嘗め回すように眺めて確認し始めた。
「へへへ…成功したぞ!」
少女らしからぬ…目の前で倒れている中年男性とよく似た「ねちっこい口調」で「下卑た笑み」を顔に張り付かせながら、小麦色に焼けた自らの腕をうっとりとした表情で撫で回す。
「いいねぇ、この健康的に焼けた肌って言うのは…」
体育系の部活動をしている少女は細くて引き締まった体つきをしており、小麦色の健康的な肌にとても似合っている。
太もも、お尻、腰…そのスレンダーな身体をベタベタと、いやらしい手つきで触り始めた。
「ん~引き締まってるね~♪」
自分の胸を下から持ち上げ、グニュっグニュっと揉みしだく。
「ぐへへ!おっぱいはちゃんとやわらかいねぇ…それに、思ってたより大きいじゃないか…じゅる」
着やせするのか、想像以上に揉み応えのある自分の胸の感触によだれを垂らす少女。
いや、正確には少女の身体を乗っ取った中年男性だ。
「残念だったねお譲ちゃん、睨み付ける暇があったら早く逃げておけば助かったのにねぇ…ぐへへ!」
男性は数日前、「10秒相手と目を合わせると」その身体に憑依する能力を手に入れていた。
一度身体を乗っ取られたら元の持ち主は一切抵抗出来ない強力な力だが、10秒見つめる合うというのは意外と難しく、その結果がここ数日の不審者情報だったのだ。
恐怖して逃げ出さない気の強い性格と、逃げ切れるという絶対的な自信がある少女の性格のお陰で、男性はまんまと若い肉体を手に入れる事が出来たのだった。
「さて、そろそろ記憶も分かってきたし帰ろうかな?」
表情も雰囲気も普通の少女にしか見えない。
一通り少女の肢体や五感を堪能している間にしっかりと身体が馴染んだみたいだ。
「今までありがとな「俺の身体」、もし無事だったらセックスでもしてやるよ」
が、やはり中身は男性だ。気を抜くと瞬時にイヤらしい歪んだ表情と口調に戻る。
男性の身体は受け身を取らずに正面から倒れたせいで出血し、地面に血液が溜まり始めたが心配する素振りを見せずに背中を向けた。
そもそも、能力の特性の関係上脱け殻となった元の身体に戻るのは困難だし、今更戻りたいと思うほど男性の人生は充実していなかった。
「ん~やっぱり身体が軽いのはいいなぁ♪」
数歩歩いただけで肉体の若さを実感し、嬉しさのあまり軽く跳びはねてみる。
直ぐに息切れしていた元の身体と違って、軽くてしなやか、そして力強い。
スタイルや元の性格がやや好みと違うが、他に気に入った女性を見つけたら乗り換えれば良い。今の姿なら女性と目を合わせるのも難しくないだろう。
「これからの生活が楽しみだよ瑞希ちゃん♪ステキな身体をくれてありがとう!」
軽やかにスキップをしながら、少女は夕闇に消えていった。