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薬でいいなりにしようとして

お久しぶりです。
超久々に更新します( ノ;_ _)ノ
 ぱっちりした目にチャームポイントの泣きぼくろ、光り輝くような白い肌と長くて綺麗な黒髪、聞き心地のいい澄んだ声、同学年の女子より大人びた雰囲気とスタイルのクラス一、いや学校一と言っても問題ない清楚な美少女。
 そんなクラスメイトの『上坂八枝』は校内でも有名な女子だった。

 ……しかしその正体は一人で男子数人を負かす事ができる喧嘩強さと、機嫌が悪いという理由だけで男子に暴力をふるう理不尽さを持ちながら、大人の前では勉強も運動も出来る真面目で頼れる優等生という猫かぶりをしているクラスの暴君だ。
 男子を負かす強さから女子には慕われ、逆に男子はに恐れられる。まさにクラスのピラミッドの圧倒的頂点。
 "そんな彼女を今こそ男子が団結して懲らしめてやろう"と、クラスの男子18人中12人(2人は病欠)が近所の公園に集まった。
 内容が内容だからこの手の男子の集まりとしては最大規模となった…のは良いんだけど。
「決闘だ!全員で立ち向かおう!」
「やっぱり話し合いで仲直りを…」
「先生や大人に正直に話して泣きつこう。」
「しかし"男のプライド"が」
 さっきからこうやって、あーでもないこーでもないとろくに進展しない話をしているだけで時間が過ぎていく。
 そうこうしてる間に塾や家の用事で参加者が少しずつ離脱していき、「こんな集まりで名案が浮かぶなら最初から苦労はしないのだ」と皆が気付いた頃には人数が当初の半分以下にまで減っていた。
『ねぇ、ちょっといいかな…』
 そんなタイミングを計っていたのか、今までほとんど喋っていなかった"眼鏡の男子"が話を切り出してきた。
『実は1つだけ方法があるんだ。』
 そう言って不気味な見た目の液体が入った小さな容器を皆に見せる。
『この薬を使うんだ。』

 ━━説明によれば、これを飲んだ人は"念じた相手をいいなりにできる"らしい。
 この容器一つを飲んで一回分。
 手持ちはこれ一つだけだし、一度いいなりになった人には効かなくなるから、上坂さんを"いいなり"にして復讐できる権利が与えられるのは一人だけ。
 と言えば皆が飛び付きそうなのだが僕も含めて誰も手を取ろうしなかった。
 何故かというと、まずこの薬は見た目が怪しすぎた。飲み物とは思えない紫のような緑のようななんとも説明しにくい不気味な色で薬だからと言い訳できない毒々しさだ。

 しかも眼鏡の彼も実際に使った事がないから、"いいなりにできる"って言っても完全な操り人形になるのか、強力な惚れ薬でどんなお願いも聞いてくれるようになるのか、そういった具体的な効果は分からないらしい。
 しまいには…
「そんな気味悪の飲んで大丈夫なのか?」
 そんな皆が思いながらギリギリ踏みとどまっていた思いに対して『どんな副作用があるのか不明だから安全の保証ができない。』と返してきた。

『それでも誰か飲んでみる?』

 こんなのただの毒薬だ。思わずそう粒やいてしまった。
『なあ…圭太とかどうだ?』
「え?!僕?」
『そうだよ!お前なら出来るって!』
『だな。さっきから何か言ってるし。』
『よし!なんなら今から試してみようぜ!』
「いやっ流石に今飲むのは…」

 それまで一歩引いた空気でごまかしていたが、今の呟きをきっかけに風向きが怪しくなってきた。
「ちょ、ちょっとまってよ…!」
 皆が僕に押し付ける流れで団結を始める。
 い、いやだ!あんな気味の悪い液体を飲むのは絶対に嫌だ!なんとかして他の誰かに押し付けなきゃ!


・・・・・


 結局押し負けて薬を持って帰ってしまった。
「これ本当に飲み薬なのかな…」
 キャップ式な以外はヤク◯トみたいな形と大きさの容器。量は少ないけど中身の不気味な液体は糊みたいにドロッとしてて飲みにくそうだ。
 でも、これを飲めば

「念じた相手をいいなりに、かあ。」
 あまりの薬の胡散臭さとその場の勢いで深く考えてなかったけど、もしこれが本物だったらものすごく"恐ろしいもの"じゃないか?
 例えば、僕が皆の前で裸になれって一言命令すればそれだけで彼女の人生は…

 そこまで考えると逆に恐怖心が全身を駆け巡って躊躇してしまう。

 ー『あんた蹴りやすいわ。』『邪魔よ!…自分の席に座ってるだけ?知らないわよ!』『男子のくせに情けないわね!』ー

 …いや訂正だ。彼女には悪いけどあまり躊躇してない。
 理不尽に振るわれた暴力の数々を考えたらそんな恐ろしい物を使われても仕方ないと思ってしまう。

「日頃の行いって大事だなぁ…」
 ここで少しでも優しさを見せてくれた想い出があれば…いや、せめて無害な相手に"何もしてこなかった"のならば、恐怖心や罪悪感で手を止めてたかもしれない。
 けれどそんな事なくて、上坂さんは男子に対して容赦がなかった。機嫌が悪ければ視界に入っただけで暴力を奮ってくる彼女に仕返ししても罰は当たらないだろう。
 僕も上坂さんへの不満は皆と同じく溜まりに溜まっているし、中身があれでも黙っていれば間違いなく可愛い彼女に対して下心を持たない訳ないじゃない。
 皆の前で裸にしなくても、皆の前で自分のパンツを捲らせるとか男子に土下座させるとかで充分だ。なんなら"僕の彼女"にしてしまえば、上坂さんにとってはかなり屈辱的だろう。
 …うん、こうやって前向きに考えてたら勇気がわいてきた。
「うっ…気持ち悪い…」
 けどそれも飲む手前の段階で一気に消えてしまう。
 フタを開けた瞬間、子供向けの歯磨き粉とジャムを混ぜて煮詰めたような甘ったるい匂いが部屋中に広がった。
「うへぇ…やっぱり飲むのは怖いなぁ。」
 キツすぎる匂いだけで頭がクラクラする。
 これなら逆にもっと薬って感じの匂いの方が飲みやすかったかもしれない。
「よし、行くぞ!待っていろよ上坂さん!」
 声に出して自分を鼓舞しながら、やけくそ気味に薬を一気飲みした。

「うぇっ…!」
 吐き出すのを我慢して無理矢理飲み込んだのはいいけど、液体がドロッとしてるせいで胸元からお腹へゆっくり移動していくのが分かってものすごく気持ち悪い。
 早く薬の効果が現れてくれと必死に願いながら意地で嘔吐感を堪え続ける。
 そうやって脂汗を流しながら数分間耐えていたら、薬の効果なのかじんわりとお腹の方が熱くなってきた。
 楽になってきた…ってわけじゃなさそうだ。
 吐き気はそのままだし、風邪を引いた時みたいなふわふわした目眩と浮遊感まで始まって頭の中がぐちゃぐちゃにかき回されてるみたいだ。

 まとまらない頭でなんとか「このままじゃ危ない」と思いベットまで移動し倒れこむ。
 ベットに横になって多少落ち着いた気はするけど吐き気はどんどん大きくなっていく。
 まだ耐えないと。頑張って耐えて上坂さんを…
「うっ…ダメだ…!」
 しかし、耐えきれなくなって"お腹の中のモノ"を吐き出してしまった。



 それと同時に自分の中から何か飛び出すような奇妙な違和感を感じながら意識を失った。


・・・・・


 地面が無くなったような浮遊感の後、気がついたら"見知らぬ"部屋のベットに寝そべりながら見たことのない少女漫画を読んでいた。

 どこだろう?と思いながら体を起こして部屋を見回してみる。
 部屋に漂う嗅ぎ馴れない甘い匂い。ベッドや棚の上に置いてあるぬいぐるみや、壁にかかった花柄の可愛い飾り付け。全体的に可愛くファンシーな雰囲気で男子の僕の部屋とは似ても似つかない。
 それに、"見知らぬ"のは部屋だけじゃなかった。
 まず最初に気がついたのは少女漫画を持っている僕の手が、いつもより細くてスベスベしている事だ。
 どうみても自分の手じゃないのに、グーパーと開いたり閉じたりしてても違和感なく動いて逆に違和感がある。
 次に髪。僕の髪は少し茶色いくて耳にかからない程度の長さなのに、さっきから長く綺麗な黒色の髪が視界の端を隠している。
 触ってみると凄いサラサラしてるし僕の知らないシャンプーの良い香りがふわふわと鼻をくすぐる。
 更に自分の身体を見下ろしてみと着ている服は女の子用の薄いピンクのパジャマだった。当然僕はこんなの持っていない。
 そしてそのパジャマの胸元には、男の僕に存在しない筈の2つの膨らみがあるではないか!
「こ、これってもしかして…?」
 自分の口から聴こえてくるいつもより高い呟き声に驚くと同時に、とある事実に確信を強める。
「ほ、本物だ…やっぱり僕、女の子になってる!!」
 恐る恐るパジャマの胸元を引っ張って中を覗きこんでみると、そこには間違いなく女の子にしかない胸の膨らみがあった。
「凄い…!これが女の子おっぱい…ごくり。」
 『これは確認だから』と自分に言い聞かせながら、パジャマの上から手の平で優しく包むように触ってみる。
 大人の女の人とまではいかないけど、同年代の女子を基準に考えてみたらかなり発育が良くて程よく細くて綺麗な指で掴んで揉めるサイズ感だ。
「うわぁ……柔らかい……」
 いままで味わった事のない、ふにゅっとした柔らかい感触が手に伝わってくる。
「あはは、凄い!僕の身体じゃないみたい!」
 身体だけじゃなくて着ている服や部屋の中まで全部女の子のものに変わっていて、まるで他人になったみたいだ。
 こうなった原因はどう考えてもあの薬のせいだけど、"念じた相手をいいなりにできる"のと"僕が女の子になる"のはどういう関係があるんだろう?
「まさか!?」
 ふと閃いたのは、この身体は本当に他人の物だという可能性。
 あの浮遊感の正体は僕の魂か何かが身体から飛び出したからで、そのまま誰かの身体に乗り移ったのだとしたら?
 それなら服装まで変わったのも、見ず知らずの部屋にいるのも説明できる。
 他人の身体を僕の思い通りに動かせるこの状況はある意味"いいなり"にできているといえるし。
「そうなるとこの身体って…」
 "薬を飲むときに念じていた相手"、このおっぱいは念じた相手である『彼女』。
 とんでもない事に気がついてしまい、羞恥心や好奇心が混ざったよく分からない感情が一気に溢れ出してきた。
「な、何か確認できるものないかな?」
 改めて室内を見回してみると、布のカバーがかけられた鏡を見つけた。
 いつもより軽くて動きやすい身体にドキドキしながら、鏡の前まで移動しカバーをめくってみと…
「っ……なんだこれ?頭の中に…?」

 お風呂上がりに部屋でお気に入りの漫画を読んでたら急に頭の中に"何か"が飛び込んできて、抵抗する暇もなくその何かが私の意識を包むように飲み込んでいった。

 鏡を見て僕が誰なのか自覚した瞬間に"思い出した"記憶。頭の中に入り込んだ方が僕で、意識を失ったのは身体の持ち主。つまり…

「やっぱりだ!僕が上坂さんになってる!」
 思った通り。鏡に映っているのは驚きと喜びが混ざった表情をした『上坂八枝』だった。


・・・・・


「へ~この服は誕生日に買ってもらったんだ。こっちは皆が可愛いって言ってくれた…けど男子には可愛いすぎて似合わないって言われてやつ。」
 最近着た服・お気に入りの洋服・その服がお気に入りの理由……誰の身体か自覚してからは頭の中にどんどん知らない記憶が浮かんでくるようになった。
「この前のプールの授業休んだじゃない?男子はサボりだろって言ってきたけど実はあれって生理が来たからなの。」
 もちろん思い出せるのは服についての話だけじゃなく、友達とのナイショ話や親も知らないとっておきの秘密といった上坂さんの頭の中にあるものは何でも分かってしまう。
「男子なんてガキだから嫌いよ。やっぱり木村先生みたいな大人の男の人じゃないとダメね!」
 自分の父親とくらいの歳の大人の人が好きなのは意外な事実だ。友達にも秘密にしてたけど、今の僕ならこうやって自由に盗み見る事が可能だ。
「人の身体を盗るなんて、やっぱり男子みたいなガキはサイテーね!」
 身体が本物だからいつもの男子を見下した表情で"それっぽい事"を言えば簡単に上坂さんになれる。
「えへへへ、でも盗まれても仕方ないよね。だって私の普段の行いが悪いんだから。」
 …それも長く続かない。油断すればすぐに鼻の下を伸ばしたニヤケ顔になってしまうからだ。
 色々と台無しだけど、本人なら絶対やらない表情だしこれはこれで薬の効果を実感できるから僕の心を昂らせる。
「だからこの身体は僕の好きに使わせて貰うよ上坂さん。」
 鏡に映る上坂さんに向かってそう宣言してみる。
 そういえば彼女の意識はどうなってるのだろう?もし意識が残ってるなら罵詈雑言の嵐なんだろうけど、今のところそういう抵抗や拒否は感じない。
「えへへ、まあ今はいっか」
 頭の中で眠っているのか、実は意識があるのに此方から分からないだけなのか…もしかしたら消えちゃったのかもしれないけれど、残念ながら僕にはそれを確認する事ができない。
 まあ思ったのと違ったけど、こうして上坂さんを僕のいいなりにできるのならば"そんな事"どうでもいい。
 もしも後から意識を取り戻して邪魔されたら勿体無いし、今の内にこの身体を楽しもう。
「何しよっかな?またおっぱい触っちゃってもいいかな?…うん、いいわよ!」
 鏡に映る上坂さんが快く了承してくれた。口調はあまり似ていなくても姿と声は本物だから、僕が喋らせてるのにまるで本人がホントにOKしてくれた気持ちになる。
「私のおっぱいって同い年の中だと結構おっきいのよ。実は普段からブラ着けてるんだけど、今日はもう寝るだけだから脱いじゃってるの。私のおっぱい見てみたい?」
 誘うような言葉を喋らせながら胸元のボタンを外していく。
 服の下から現れたおっぱいはやっぱり同い年とは思えない大きさで、上坂さんの記憶を見ても同学年で勝る相手はいないみたいだ。
「女子はおっきいのが嫌なんだぁ。勿体無いなぁ」
 上坂さんや他の胸が大きい女子は基本的にそれがあまり嬉しくなかったらしい…という記憶を引っ張り出しながら、おっぱいをむにゅっむにゅっと強めに揉んでみる。

「うーん…思ったのと違う…」
 柔らかくて感触は気持ちいいけどあまり感じない。もっとこう、軽く揉んだだけでえっちな声でちゃうかと思ってた…
「あ、でも…乳首の先が…んっ」
 記憶と身体を手探りしながらおっぱいの先っぽ、興奮して固くなってる乳首を指先で弄る。
「あっすご…あはんっ…」
 ちょっとわざとらしい声を出してみる。多少気恥ずかしさもあるけど、こんな言葉を"僕が言わせている"事情の方に興奮して身体が熱くなる。
「やっぱりちんちんがついてないと変な感じだ」
 興奮して股間がムズムズするのに馴染みの感覚がなくてなんだか落ち着かない。
 さっきから何度も繰り返してる身体の違いからくる違和感の自覚。自覚すればするほど上坂さんの頭の中からそらについての情報が引っ張り出されて僕の物になっていき、身体への違和感がなくなって馴染んでく。
「ここ触ったらいいのかな?」
 股関に手を伸ばし、身体が覚えてる気持ちのいい場所を指先で探る。
「ん…ここらへんを…あんっ…!」
 ピリッとした気持ち良さが体を通り抜け、今度こそ勝手にエッチな声が漏れた。
 ソコに恐る恐る指を挿入れていく。
「んっすご、ここさわったらっあっ!あっ!」
 湿った温もりを手先で感じながらかき分けるように指を動かせば、先ほどと比にならない電流が流れるような気持ちいい刺激が全身を走る。
「あっはぁぁあぁぁっ!」


・・・・・


 気がついたらカーテンの向こう側も明るくなっていた。
「んっふぁ~~」
 カーテンを開き、射すような日射しに当てられてあくびが漏れる。
「オナニーしすぎたぁ」
 女の子の身体で感じる未知の気持ち良さと、強い刺激を感じる度に身体と馴染んでいく高揚感と征服感にやみつきになって、夜通しこの身体を弄り続けた。
 ちょっと羽目を外しすぎたけどそのおかげで、今では完全に成りすませる自信がある。
「思ってたのとだいぶ違うけどまあいいわ。ふふ。」
 元々はいいなりにした上坂さんに命令して本人が絶対やらない恥ずかしい事をさせて辱しめる予定だったけど、僕自身が彼女になってしまった今はそんな"勿体無い事"をしたいと思わない。
「男子には無理やり僕に押し付けた事を後悔させてやる!」
 結果的に薬の効果には感謝してるけど、それはそれとして薬を押し付けられた事へには不満がある。
 ちょっと上坂さんの記憶に引っ張られて男子に不信感があるのかもしれないけど、中身が僕だと知れば何させられるか分からないし折角僕の物になった学校一の美少女をタダで他人に好き勝手されるのは単純に嫌だ。
 これからは誰にもバレないように僕が上坂さんに成り変わって、僕に都合のいい上坂さんとして過ごすんだ!
 大丈夫。記憶と身体は本物だから、多少の違和感がある行動をして『ちょっと様子がおかしい』ってなっても『中身が別人』だなんてバレる分けない。

「さて、まずはお母さんに朝の挨拶しにいかなきゃね。」
 鏡を向いてにっこりと笑顔を作り、やや寝不足なのを除いていつも通りの朝を満喫しに向かった。



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これ圭太君本体はどうなってるんだろう……

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TSFで特に憑依が大好物です!あまり更新するか分かりませんが、以前書いた小説とかを載せてく予定です。


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