正義の味方!
久しぶりの更新です!今回は別の場所でアップした趣味色の強い作品のリメイクです!なお、直接のエロはありません。
秘密結社TSF団を裏切った改造人間コガネ。
共に脱走した緑山博士と二人で正義の味方として、今日も襲い来るTSF団の怪人と戦い続けるのであった…
……………
遂に始まった女幹部カサネとの決戦!
コガネにとっては元上官である彼女はまさに因縁の敵だ。
「裏切り者にしては頑張ったが、それも今日で終わりだ。」
カサネが得物のウィップを振るう。
少女特有の甘ったるくやや舌の回らない声には、同時に少女には出せない憎悪や怒りの感情が多分に含まれていた。
「良いでしょう。いい加減貴女と決着をつけます!」
凛とした声で毅然と返すコガネ。
見た目は少女だが彼女も幹部の一人だ。
幼く可愛らしい容姿のカサネだがこれでも秘密結社の幹部にして「怪人」だ。
単純な戦闘力は総統の次に高いといわれており、好きなものを愛でる子供らしさと平然と殺人を行える冷酷さを合わせもった改心不可能な極悪人である。
……………
「勝負あったな。」
「くっ!」
激闘の末に膝を付いたのは正義の味方・コガネの方だった。
今まで何度も追手を返り討ちにし、こちらの作戦を阻止してきた想定外の力を持つ裏切り者コガネ。
しかしそれでも純粋なスペックや経験の差は埋めきれず、更に彼女の「心の迷い」が足を引っ張り、遂に追い詰められてしまった。
「最後に何か言いたい事は有るか?」
「…そうだなぁ。」
絶体絶命な状況になっても不敵な表情を崩さず、喋ると口の端から垂れてくる血を拭いながら呟く。
「今だから言うけど、カサネちゃんの見た目は結構タイプだったよ。」
「は…はぁ!?」
予想外の言葉に困惑するカサネ。
コガネは別にふざけて言った訳ではない。
健康そうな小麦色の肌、ぱっちりとしている瞳とぷっくりとした唇、小顔だが柔らかくふっくらした頬…悪の幹部らしいキツい印象を与えるツンとした表情はマイナスだが、見た目の年齢も含めてほぼコガネの「理想の女性」と言っても過言ではなかった。
実は彼女と戦闘になる度に、女幹部らしい目のやり場に困る衣装と打ち合いの合間に漏れ聞こえる幼い吐息がコガネの集中を削ぎ「心の迷い」を生んでいたのだ。
「ふ、ふざけるな変態ぃ!しねぇ!!」
衝動的にウィップを振りかざしすカサネ。
元部下の衝撃的なカミングアウトによって生じた嫌悪感は、怒りや憎悪を瞬間的に超えた。
「ああああああ!」
コガネの身体が宙を舞い、受け身を取らずに地面へ全身を打ち付け数回跳ねる。
「はぁはぁ…。やった…遂に倒したぞ!」
近付いてコガネが完全に動かなくなったのを確認したカサネ。
自らの元部下でありながら、長い間組織の邪魔をしてきた裏切り者。
脱走後に何度か緑山博士によって再改造されたのか、格上の筈の怪人達を次々と倒し幹部と互角の戦いをする程の力を手に入れていた為、何度かカサネ自ら引導を渡そうとしたが、今回遂に倒しす事が出来た!
「後は博士の捕獲と、コガネの死体を本部へ持ち帰れば……っ!?」
…と、そう思っていた。
「ば、バカな!」
ーーコガネを倒した事で生まれた油断、それがカサネのその後の運命を大きく変える事となる…
……………
一週間後。
「元」TSF女幹部カサネは「自室」で鏡の前に立っていた。
「ん…やっぱりこの水着はえっちぃ…」
明らかに幼児体型に不釣り合いな紐の様な水着…マイクロビキニを着用し小降りなお尻を鏡へ突きだす。
頬を紅く染め、瞳に涙を貯めながらも過激な衣装で媚を売るように煽情的なポーズをとり続ける。
見せつけているのは鏡を除きこむ自分自身だ。
その証拠に次の瞬間には涙目から一転し、だらしなくにやけた表情へと変化する。
「うん、やっぱりロリの涙目は可愛いな。」
自らのふっくらした頬に手を這わせながらにへーと笑う。
どうやら先程の涙は演技だったらしい。
「おーい、入るぞ。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!せめてノックしろ!」
幼い声に違和感のある男口調で抗議しながら、ノックもせず自室に入ろうとした老人を慌てて廊下へ押し出すカサネ。
「なんだ、また新しい身体に見とれているのか?」
扉の向こうでそう言う老人はコガネと共に裏切った筈の緑山博士その人だ。
「ほら、博士。俺ってロリコンじゃん?しかもこの身体は俺の好みにドストライクだからさ…」
いそいそとマイクロビキニの上から花柄の白いワンピース着ながら気さくに話すカサネ。
もちろん、本来なら憎き敵である博士に対して何故か警戒もせず共同生活をするようになったのは理由がある。
あの決戦の後、女幹部カサネはとある理由により秘密結社TSFを裏切ったのだ!
今では自らが葬った亡きコガネの「意思を引き継いで」TSFと戦っている。
何故ならーー
…………
再び一週間前。
「ば、バカな!」
戦いが終わり完全に油断していたカサネの足を死体となった筈のコガネの右腕が掴んだ。
確かに死んだフリではない、ちゃんと死んでいると確認したはずなのに、間違いなく自分の足をつかんでいる!
「くっどういうことだぁ!?は、離せぇ!」
コガネの身体が不自然な動きをしていた。
掴んだ腕はまるでそれだけ操り糸だけを無理矢理動かしたように、コガネの胴体は仰向けで瞳を閉じたままだ。
「っ?な、なんだこれは!?」
まるで寄生バチが内側から虫を食い漁るように手足が"モゾモゾ"と動き、コガネの体内に潜んでいた「何か」が彼女の手足の先から胴体へ向かって移動している。
風船に空気を送るように腹部が不自然に膨らみ、その膨らみが喉へと迫り上がって…
「きゃあ!?」
口から飛び出した薄い緑色の粘液がカサネの全身にぶちまけられた。
「何これ!ひぃっ!?」
纏わり付いた粘液が二の腕やお尻、太ももと、全身を妙に嫌らしい動きで這いまわる。
「気持ち悪い!やめろぉ!」
嫌悪感で涙目になりながら引き剥がそうとするが、振りほどこうとすればするほど粘液は身体へしがみつくように纏わり付く
謎の粘液が明確な意思を持ち自らを拘束しようとしている事に気が付いたカサネは次第に焦りを見せ始める。
「博士め!一体コガネの身体に何を仕込んで…んぐぅ!」
謎の粘液がズリュズリュと湿った音を立てながら、強引にカサネの口へと侵入していく。
「おぇ、んぐ、ずりゅ、んっ…ずる…!」
大人のキスをするように口腔内で激しく動きながらさらに奥まで突き進む。
消化器官を経由し、直接細胞に侵入し、身体の隅々まで念入りにカサネの体内を自らで満たしていく。
「んっごくっごくっずりゅっ!」
粘液に身体を拘束されえずく事すら出来ずただ侵入をゆるすカサネ。
身体の内側から何者かに犯され四肢の感覚が薄くなっていく。
(こいつ私の身体を…あうっ!)
電撃を流されたような刺激が走り身体がビクンと震えた。
(なに今の…え?)
自らの意思に反してぎこちない動きで地面に膝をつき、そのまま四つん這いになる。
(カラダが動かない…ま、まさかコガネが裏切ったのは…や、いやだぁ!そんな格好しないでぇ!)
服従するようにお尻を突き出し勝手に抵抗をやめる。
それに合わせて一気に耳や鼻、下半身…全身の穴という穴から侵入、さらに素肌からも粘液が浸透していく。
(やぁ…だめぇ…頭の中に……)
侵入してきた粘液に意識まで塗りつぶされ、カサネの意識は消滅した。
カサネが意識を失ってもの粘液の侵入は止まらない。
体内を移動するのに合わせて皮膚の内側が不自然に蠢く。
馴染ませる際に身体節々が小さく痙攣し、時折筋肉の反射で呻き声が漏れる。
念入りに、漏れなく、カサネの身体と一体化していく。
…………
暫くして、カサネが目を覚ました。
「んんっふぅー…」
すっと起き上がり、深呼吸をする。
全身に纏わりついていた粘液は体内に完全に入り込み一滴も残っていない。
端から見ると先程までの出来事が嘘だったかのようだが、自分の身体をジロジロと眺めたり手を閉じたり開いたりと様子がおかしい。
「よし……作戦成功!」
にやりと笑いながらカサネは言い放った。
「これから俺は「女幹部カサネ」改め「元女幹部」「正義に味方カサネちゃん」だ!」
…実は博士と共に裏切った怪人はコガネでは無く、アマミヤという名の粘液型の怪人だったのだ。
怪人としての「彼」の能力は寄生による肉体の乗っ取り。
その能力は強力で、粘液を他人の肉体と細胞レベルで同化させ記憶や能力まで使いこなせる。
つまり、脱走の時にこの能力を使って「女怪人コガネ」を乗っ取り成り済まし、それ以降「正義の味方コガネ」を名乗っていたのだ。
アマミヤの存在がTSFにばれていないのは博士がデータを本部へ送る前に裏切り、脱走時に施設ごと破壊し証拠隠滅したからである。
「しかし、スライムの姿だとどっちが悪人か分からないな。」
侵入中にカサネが流していた涙の跡を拭う。
見た目は幼女だが乗っ取りった事に罪悪感は無い。彼女はTSFの幹部なだけあり一般人の誘拐や殺害も平然と行う冷酷な人物だ。
対してアマミヤの見た目はスライム状だが、その胸に秘めた正義の心は本物だ。
…ただし、
「やっぱり正義の味方はビジュアルだ!こんな可愛い身体で強いなんて最高じゃないか!」
コガネの身体で言った発言は全て事実、人としての姿を失いながらも「正義の味方」を貫き通すアマミヤは少女好き…つまりロリコンだった。
「ああん!カサネちゃんの身体、柔らかくて良い匂い♪」
自分の物になったカサネの身体をぎゅっと抱き締める。よだれを垂らしながら恍惚の表情を見せるその顔には既に悪の女幹部だった頃の名残はない。
というより正義の味方ですらない。彼はそれ位に残念なロリコンだった。
「これからは「コガネの犠牲により改心した」って事にして大事に使ってあげるね♪」
姿や発言のせいでアマミヤが外道に見えるが、一応ながら先程まで殺し合いをしていた冷酷な女幹部を正義の味方が倒した瞬間なのである。
……………
場面は再び一週間後。
「儂はコガネちゃんのナイスバディの方が良かったんじゃが…」
「仕方ないだろ。あの身体もガタが来てたし、むしろ今まで持ったのが凄いって。」
女幹部カサネとの激しい戦いの末に敗北したコガネの身体。
アマミヤに乗っ取られ潜在能力を引き出しながら戦っていたが、その分身体への負荷が溜まりやすく長期戦が苦手だった。
脱走前に博士が改良していたのもいり順調に組織の怪人を倒していたが、幹部クラスとの戦闘となると限界が見え始めた。
カサネや他の幹部と戦ってそれを痛感していたアマミヤは、最終手段として自らの怪人としての能力を使い幹部の身体を乗っ取る計画を立てた。
「流石に俺もあの身体には愛着があったけど、TSFを倒す為には仕方なかったんだ。」
カサネは幹部なだけあり幼い見た目の割に単純な戦闘力だけならTSF総統に次いで高い。
けして彼の好みだけでこの肉体を選んだ訳では無いのだ。多分。おそらく。
「…しかし、その格好で言われても説得力がないの。」
際どい水着の上に着崩れしたワンピースを着た幼女。
確かに説得力が無かった。
「と、ところで博士!俺に何か用があったんじゃないの?」
無理やり話題をそらすアマミヤ。
「そうそう、頼まれていた「例のモノ」が完成したぞ。」
そう言って博士が棒状の物体を手渡した。
「おお!流石博士!仕事が速いぜ!」
「使い方はベースにした物と同じじゃ。ただし、お前が「ソレ」を望んで使った時のみ起動する。試して見るか?」
「勿論!」
博士から受け取った「ソレ」の外装は市販の物を流用し偽装されている。
ただしその中身はアマミヤが自ら気合いを入れて発案したデザインやイメージを元に、博士が持ちうる全ての技術を集結したオーバーテクノロジーの産物だ。
「―変身!―」
カサネがそれっぽいポーズを取りながらボタンを押した瞬間、室内がまばゆい光に包まれた。
―カサネの着ていたワンピースや水着が光の粒子へと分解され全裸になる―
―が何故か大事な場所は良く見えない。―
―今度は粒子が着物を意識した上着とフリルが付いた大きなスカートに変化する。―
―更にツイテールを結んでいたリボンも分解され髪が解け、ポニーテール状に結び直される。―
―最後にステッキが良く分からないギミックで変形して冠の形になり頭に装着!―
―止めに謎のキメポーズ!―
アマミヤの体感では30秒ほどだったがその時間、僅か0.5秒の出来事だった。
「すげぇ!イメージ通りの格好だ!」
鏡の前でキメポーズをとりながら歓喜の声で叫ぶカサネ。
博士が形にした「ソレ」とは、彼の流石に露出が高い黒のボンテージ風ファッションはよろしくないとの意見で作らせた「専用の変身ステッキ」だ。
ジャ●コで購入した「魔法少女アニメの変身ステッキ」を博士の科学力で本物の変身ガジェットへと改造したのだ。
「これさえ有れば百人力だぜ!」
「そこまで喜ばれると作った甲斐があるぞ。」
なお、服装が変わるだけで力が上がったり必殺技が出せる訳ではない。
ただの世界一凄い技術を使ったコスプレである。
「後もう一つ、お前に護衛してもらいたい相手がおっての。引き受けてくれんか?」
一通りコスp…変身を堪能したに博士が頼んできた。
「俺に?」
「儂の古い知り合いに孫の護衛を頼まれての。」
「古い知り合いの孫?」
「財閥の令嬢じゃ。ほれ、その子の写真。」
渡された写真には、清楚で大人しそうな見た目に腰まで伸ばした黒髪、キヨヒコ好みのロリなお嬢様が写っていた。
「やる!ぜひやる!断られてもやる!」
「そう言うと思ったぞ。」
念のため言うが彼はロリコンだが正義の心を持っているのだ。
正義漢のアマミヤは対象がロリで無くても絶対引き受けていた…筈である。
「身体的には同い年に見えるじゃろうし、それ用の身分も準備しておいたぞ。」
さらっととんでもない事を言う緑山博士。
流石、秘密結社でそれなりに高い地位に居た博士である。
「ありがとう博士。」
熱い瞳で見つめ合う。
共にTSFを裏切った、たった二人きりの仲間。
だからこそ、お互い硬い絆で結ばれているのだ。
…こうしてアマミヤは「立花笠音」としてお嬢様学校に通う事になったのだった。
一方、残り半分となったTSF四大幹部からも、カサネの天敵が動き始めるのだった…
―続く?―
秘密結社TSF団を裏切った改造人間コガネ。
共に脱走した緑山博士と二人で正義の味方として、今日も襲い来るTSF団の怪人と戦い続けるのであった…
……………
遂に始まった女幹部カサネとの決戦!
コガネにとっては元上官である彼女はまさに因縁の敵だ。
「裏切り者にしては頑張ったが、それも今日で終わりだ。」
カサネが得物のウィップを振るう。
少女特有の甘ったるくやや舌の回らない声には、同時に少女には出せない憎悪や怒りの感情が多分に含まれていた。
「良いでしょう。いい加減貴女と決着をつけます!」
凛とした声で毅然と返すコガネ。
見た目は少女だが彼女も幹部の一人だ。
幼く可愛らしい容姿のカサネだがこれでも秘密結社の幹部にして「怪人」だ。
単純な戦闘力は総統の次に高いといわれており、好きなものを愛でる子供らしさと平然と殺人を行える冷酷さを合わせもった改心不可能な極悪人である。
……………
「勝負あったな。」
「くっ!」
激闘の末に膝を付いたのは正義の味方・コガネの方だった。
今まで何度も追手を返り討ちにし、こちらの作戦を阻止してきた想定外の力を持つ裏切り者コガネ。
しかしそれでも純粋なスペックや経験の差は埋めきれず、更に彼女の「心の迷い」が足を引っ張り、遂に追い詰められてしまった。
「最後に何か言いたい事は有るか?」
「…そうだなぁ。」
絶体絶命な状況になっても不敵な表情を崩さず、喋ると口の端から垂れてくる血を拭いながら呟く。
「今だから言うけど、カサネちゃんの見た目は結構タイプだったよ。」
「は…はぁ!?」
予想外の言葉に困惑するカサネ。
コガネは別にふざけて言った訳ではない。
健康そうな小麦色の肌、ぱっちりとしている瞳とぷっくりとした唇、小顔だが柔らかくふっくらした頬…悪の幹部らしいキツい印象を与えるツンとした表情はマイナスだが、見た目の年齢も含めてほぼコガネの「理想の女性」と言っても過言ではなかった。
実は彼女と戦闘になる度に、女幹部らしい目のやり場に困る衣装と打ち合いの合間に漏れ聞こえる幼い吐息がコガネの集中を削ぎ「心の迷い」を生んでいたのだ。
「ふ、ふざけるな変態ぃ!しねぇ!!」
衝動的にウィップを振りかざしすカサネ。
元部下の衝撃的なカミングアウトによって生じた嫌悪感は、怒りや憎悪を瞬間的に超えた。
「ああああああ!」
コガネの身体が宙を舞い、受け身を取らずに地面へ全身を打ち付け数回跳ねる。
「はぁはぁ…。やった…遂に倒したぞ!」
近付いてコガネが完全に動かなくなったのを確認したカサネ。
自らの元部下でありながら、長い間組織の邪魔をしてきた裏切り者。
脱走後に何度か緑山博士によって再改造されたのか、格上の筈の怪人達を次々と倒し幹部と互角の戦いをする程の力を手に入れていた為、何度かカサネ自ら引導を渡そうとしたが、今回遂に倒しす事が出来た!
「後は博士の捕獲と、コガネの死体を本部へ持ち帰れば……っ!?」
…と、そう思っていた。
「ば、バカな!」
ーーコガネを倒した事で生まれた油断、それがカサネのその後の運命を大きく変える事となる…
……………
一週間後。
「元」TSF女幹部カサネは「自室」で鏡の前に立っていた。
「ん…やっぱりこの水着はえっちぃ…」
明らかに幼児体型に不釣り合いな紐の様な水着…マイクロビキニを着用し小降りなお尻を鏡へ突きだす。
頬を紅く染め、瞳に涙を貯めながらも過激な衣装で媚を売るように煽情的なポーズをとり続ける。
見せつけているのは鏡を除きこむ自分自身だ。
その証拠に次の瞬間には涙目から一転し、だらしなくにやけた表情へと変化する。
「うん、やっぱりロリの涙目は可愛いな。」
自らのふっくらした頬に手を這わせながらにへーと笑う。
どうやら先程の涙は演技だったらしい。
「おーい、入るぞ。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!せめてノックしろ!」
幼い声に違和感のある男口調で抗議しながら、ノックもせず自室に入ろうとした老人を慌てて廊下へ押し出すカサネ。
「なんだ、また新しい身体に見とれているのか?」
扉の向こうでそう言う老人はコガネと共に裏切った筈の緑山博士その人だ。
「ほら、博士。俺ってロリコンじゃん?しかもこの身体は俺の好みにドストライクだからさ…」
いそいそとマイクロビキニの上から花柄の白いワンピース着ながら気さくに話すカサネ。
もちろん、本来なら憎き敵である博士に対して何故か警戒もせず共同生活をするようになったのは理由がある。
あの決戦の後、女幹部カサネはとある理由により秘密結社TSFを裏切ったのだ!
今では自らが葬った亡きコガネの「意思を引き継いで」TSFと戦っている。
何故ならーー
…………
再び一週間前。
「ば、バカな!」
戦いが終わり完全に油断していたカサネの足を死体となった筈のコガネの右腕が掴んだ。
確かに死んだフリではない、ちゃんと死んでいると確認したはずなのに、間違いなく自分の足をつかんでいる!
「くっどういうことだぁ!?は、離せぇ!」
コガネの身体が不自然な動きをしていた。
掴んだ腕はまるでそれだけ操り糸だけを無理矢理動かしたように、コガネの胴体は仰向けで瞳を閉じたままだ。
「っ?な、なんだこれは!?」
まるで寄生バチが内側から虫を食い漁るように手足が"モゾモゾ"と動き、コガネの体内に潜んでいた「何か」が彼女の手足の先から胴体へ向かって移動している。
風船に空気を送るように腹部が不自然に膨らみ、その膨らみが喉へと迫り上がって…
「きゃあ!?」
口から飛び出した薄い緑色の粘液がカサネの全身にぶちまけられた。
「何これ!ひぃっ!?」
纏わり付いた粘液が二の腕やお尻、太ももと、全身を妙に嫌らしい動きで這いまわる。
「気持ち悪い!やめろぉ!」
嫌悪感で涙目になりながら引き剥がそうとするが、振りほどこうとすればするほど粘液は身体へしがみつくように纏わり付く
謎の粘液が明確な意思を持ち自らを拘束しようとしている事に気が付いたカサネは次第に焦りを見せ始める。
「博士め!一体コガネの身体に何を仕込んで…んぐぅ!」
謎の粘液がズリュズリュと湿った音を立てながら、強引にカサネの口へと侵入していく。
「おぇ、んぐ、ずりゅ、んっ…ずる…!」
大人のキスをするように口腔内で激しく動きながらさらに奥まで突き進む。
消化器官を経由し、直接細胞に侵入し、身体の隅々まで念入りにカサネの体内を自らで満たしていく。
「んっごくっごくっずりゅっ!」
粘液に身体を拘束されえずく事すら出来ずただ侵入をゆるすカサネ。
身体の内側から何者かに犯され四肢の感覚が薄くなっていく。
(こいつ私の身体を…あうっ!)
電撃を流されたような刺激が走り身体がビクンと震えた。
(なに今の…え?)
自らの意思に反してぎこちない動きで地面に膝をつき、そのまま四つん這いになる。
(カラダが動かない…ま、まさかコガネが裏切ったのは…や、いやだぁ!そんな格好しないでぇ!)
服従するようにお尻を突き出し勝手に抵抗をやめる。
それに合わせて一気に耳や鼻、下半身…全身の穴という穴から侵入、さらに素肌からも粘液が浸透していく。
(やぁ…だめぇ…頭の中に……)
侵入してきた粘液に意識まで塗りつぶされ、カサネの意識は消滅した。
カサネが意識を失ってもの粘液の侵入は止まらない。
体内を移動するのに合わせて皮膚の内側が不自然に蠢く。
馴染ませる際に身体節々が小さく痙攣し、時折筋肉の反射で呻き声が漏れる。
念入りに、漏れなく、カサネの身体と一体化していく。
…………
暫くして、カサネが目を覚ました。
「んんっふぅー…」
すっと起き上がり、深呼吸をする。
全身に纏わりついていた粘液は体内に完全に入り込み一滴も残っていない。
端から見ると先程までの出来事が嘘だったかのようだが、自分の身体をジロジロと眺めたり手を閉じたり開いたりと様子がおかしい。
「よし……作戦成功!」
にやりと笑いながらカサネは言い放った。
「これから俺は「女幹部カサネ」改め「元女幹部」「正義に味方カサネちゃん」だ!」
…実は博士と共に裏切った怪人はコガネでは無く、アマミヤという名の粘液型の怪人だったのだ。
怪人としての「彼」の能力は寄生による肉体の乗っ取り。
その能力は強力で、粘液を他人の肉体と細胞レベルで同化させ記憶や能力まで使いこなせる。
つまり、脱走の時にこの能力を使って「女怪人コガネ」を乗っ取り成り済まし、それ以降「正義の味方コガネ」を名乗っていたのだ。
アマミヤの存在がTSFにばれていないのは博士がデータを本部へ送る前に裏切り、脱走時に施設ごと破壊し証拠隠滅したからである。
「しかし、スライムの姿だとどっちが悪人か分からないな。」
侵入中にカサネが流していた涙の跡を拭う。
見た目は幼女だが乗っ取りった事に罪悪感は無い。彼女はTSFの幹部なだけあり一般人の誘拐や殺害も平然と行う冷酷な人物だ。
対してアマミヤの見た目はスライム状だが、その胸に秘めた正義の心は本物だ。
…ただし、
「やっぱり正義の味方はビジュアルだ!こんな可愛い身体で強いなんて最高じゃないか!」
コガネの身体で言った発言は全て事実、人としての姿を失いながらも「正義の味方」を貫き通すアマミヤは少女好き…つまりロリコンだった。
「ああん!カサネちゃんの身体、柔らかくて良い匂い♪」
自分の物になったカサネの身体をぎゅっと抱き締める。よだれを垂らしながら恍惚の表情を見せるその顔には既に悪の女幹部だった頃の名残はない。
というより正義の味方ですらない。彼はそれ位に残念なロリコンだった。
「これからは「コガネの犠牲により改心した」って事にして大事に使ってあげるね♪」
姿や発言のせいでアマミヤが外道に見えるが、一応ながら先程まで殺し合いをしていた冷酷な女幹部を正義の味方が倒した瞬間なのである。
……………
場面は再び一週間後。
「儂はコガネちゃんのナイスバディの方が良かったんじゃが…」
「仕方ないだろ。あの身体もガタが来てたし、むしろ今まで持ったのが凄いって。」
女幹部カサネとの激しい戦いの末に敗北したコガネの身体。
アマミヤに乗っ取られ潜在能力を引き出しながら戦っていたが、その分身体への負荷が溜まりやすく長期戦が苦手だった。
脱走前に博士が改良していたのもいり順調に組織の怪人を倒していたが、幹部クラスとの戦闘となると限界が見え始めた。
カサネや他の幹部と戦ってそれを痛感していたアマミヤは、最終手段として自らの怪人としての能力を使い幹部の身体を乗っ取る計画を立てた。
「流石に俺もあの身体には愛着があったけど、TSFを倒す為には仕方なかったんだ。」
カサネは幹部なだけあり幼い見た目の割に単純な戦闘力だけならTSF総統に次いで高い。
けして彼の好みだけでこの肉体を選んだ訳では無いのだ。多分。おそらく。
「…しかし、その格好で言われても説得力がないの。」
際どい水着の上に着崩れしたワンピースを着た幼女。
確かに説得力が無かった。
「と、ところで博士!俺に何か用があったんじゃないの?」
無理やり話題をそらすアマミヤ。
「そうそう、頼まれていた「例のモノ」が完成したぞ。」
そう言って博士が棒状の物体を手渡した。
「おお!流石博士!仕事が速いぜ!」
「使い方はベースにした物と同じじゃ。ただし、お前が「ソレ」を望んで使った時のみ起動する。試して見るか?」
「勿論!」
博士から受け取った「ソレ」の外装は市販の物を流用し偽装されている。
ただしその中身はアマミヤが自ら気合いを入れて発案したデザインやイメージを元に、博士が持ちうる全ての技術を集結したオーバーテクノロジーの産物だ。
「―変身!―」
カサネがそれっぽいポーズを取りながらボタンを押した瞬間、室内がまばゆい光に包まれた。
―カサネの着ていたワンピースや水着が光の粒子へと分解され全裸になる―
―が何故か大事な場所は良く見えない。―
―今度は粒子が着物を意識した上着とフリルが付いた大きなスカートに変化する。―
―更にツイテールを結んでいたリボンも分解され髪が解け、ポニーテール状に結び直される。―
―最後にステッキが良く分からないギミックで変形して冠の形になり頭に装着!―
―止めに謎のキメポーズ!―
アマミヤの体感では30秒ほどだったがその時間、僅か0.5秒の出来事だった。
「すげぇ!イメージ通りの格好だ!」
鏡の前でキメポーズをとりながら歓喜の声で叫ぶカサネ。
博士が形にした「ソレ」とは、彼の流石に露出が高い黒のボンテージ風ファッションはよろしくないとの意見で作らせた「専用の変身ステッキ」だ。
ジャ●コで購入した「魔法少女アニメの変身ステッキ」を博士の科学力で本物の変身ガジェットへと改造したのだ。
「これさえ有れば百人力だぜ!」
「そこまで喜ばれると作った甲斐があるぞ。」
なお、服装が変わるだけで力が上がったり必殺技が出せる訳ではない。
ただの世界一凄い技術を使ったコスプレである。
「後もう一つ、お前に護衛してもらいたい相手がおっての。引き受けてくれんか?」
一通りコスp…変身を堪能したに博士が頼んできた。
「俺に?」
「儂の古い知り合いに孫の護衛を頼まれての。」
「古い知り合いの孫?」
「財閥の令嬢じゃ。ほれ、その子の写真。」
渡された写真には、清楚で大人しそうな見た目に腰まで伸ばした黒髪、キヨヒコ好みのロリなお嬢様が写っていた。
「やる!ぜひやる!断られてもやる!」
「そう言うと思ったぞ。」
念のため言うが彼はロリコンだが正義の心を持っているのだ。
正義漢のアマミヤは対象がロリで無くても絶対引き受けていた…筈である。
「身体的には同い年に見えるじゃろうし、それ用の身分も準備しておいたぞ。」
さらっととんでもない事を言う緑山博士。
流石、秘密結社でそれなりに高い地位に居た博士である。
「ありがとう博士。」
熱い瞳で見つめ合う。
共にTSFを裏切った、たった二人きりの仲間。
だからこそ、お互い硬い絆で結ばれているのだ。
…こうしてアマミヤは「立花笠音」としてお嬢様学校に通う事になったのだった。
一方、残り半分となったTSF四大幹部からも、カサネの天敵が動き始めるのだった…
―続く?―