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特殊なスライム

以前某所に投稿した作品です。

※ファンタジー、スライム系

追記(6/23)
おむらいすさん(http://omuaisu.blog.fc2.com/)に挿し絵を描いていただきました!
それにあわせて若干加筆修正しています。
20160623235433bae.jpg






 
 道端で飛び出してきた大型のスライム状のモンスター。
 私の様な人型の『高位の魔物』を人間と勘違いして襲ってくる『低脳な魔物』。
 愚かしくも、比較的魔物の多いこの地域では良くある光景だ。
「ふん、私の魔法で消し飛ばしてやる。」
20160623235434e91.jpg
 手に軽く魔力を込めて炎を創り、逃げようとしているスライムに向けて放つ。
 シンプルだが私のような優秀な魔物が使うとそれなりの破壊力を発揮する攻撃だ。
 直撃した瞬間、スライムが思っていたより盛大に弾けた。
「うわ…!少しやり過ぎたかな?」
 手加減したつもりだったが、至近距離だったせいでバラバラになったスライムの欠片がこちらにまで飛び散ってしまった。
 素肌にくっついたスライムがネトネトして気持ち悪い。
「この辺りで身体を洗える湖あったかな?」
 余計な魔力を消費したし、水浴びでもしてすっきりしたい。
 そう考えた私は元来た方へと向きを変え歩こうとした。

 ―この時、油断せずもっと周囲を警戒していれば良かった。

 私の身体にまとわりついたスライムと、足元でバラバラになった欠片がもぞもぞと動き始めた。
「こ、こいつ!まだ生きて…ひゃあ!」
 異変に気付いた時には遅かった。
 体にかかったスライムが肌の上を這いずり回り、気色の悪い肌触りに全身に鳥肌が立つ。
「こ、この!」
 慌てて魔力を使って剥ぎとりにかか…

 ぷちん

 ろうとしたら、軽い音とともに胸元と下半身が涼しくなった。
「……へ?」
 胸と大切な場所が露になっていると気づくまで、数秒かかった。

「き…きゃああああ!」
 羞恥の余りに我を忘れてしゃがみこむ。
「しまった!ひゃっ…」
 それを狙っていたのだろう、スライムの欠片が私に向かってが一斉に集まってくる。
 慌てて体を起こそうとした瞬間、体にへばり付いていたスライムの一つがニチャニチャと音を立てながら、耳の中へ侵入してきた。
 ―そこまで来て、このスライムの目的に気付いた。
「ま、まずい!こいつ、私の身体を奪うつもり?!」
 想像しただけで血の気が引く話だが、ごく希にそういう種のスライムに乗っ取られ知性のないゾンビのように蠢き、最終的に苗床として食い漁られる魔物の話を聴く。
 思い出した時には、既にスライムは取り出せないぐらい奥に入り込んでいた。
 …焦るな!まだこの量の欠片なら時間をかけて私の意識で押し込む事ができる!
「そ、そうだ…まずはこれ以上侵入されないように…あ、あれ?」
 他の欠片を引き剥がそうとした瞬間、それを阻止するように全身の力が抜け地面に膝をついてしまった。
 思ったより侵食が早い!?
「くぅっ!頭の中を…こいつ、野生種じゃない?」
 この手際の良さは野生のものじゃない…
 なんとかしないと…しないと?
 しないと…乗っ取らないと…だめ!思考を邪魔される!
 周りに飛び散っていた破片まで私に群がり体内に侵入出来る場所を探している。
「ひゃあ!…いやっ…ソコはだめぇ!んぐ…!」
 欠片が集まって大きくなったスライムが口をこじ開けようとしてきた。
 必死に抵抗するも、先程から自分の意思とは関係なく口が勝手に開きそうになる。
 乗っ取られ…ないと…ちがう、それは私の意思じゃない。
「…誰か…がぼっ!」
2016062323543548b.jpg
 限界を迎え、スライムが濁流のようにこじ開けられた口の中へ押し寄せる。
 他の欠片も追従するように私の体中の穴という穴から侵入し始めた。
「んぐっ…ごぽ…ごぽ…ごくっ…」
 息ができない。
 お腹の中をスライムが這い回る。
 下からも入ってくる…
 頭の中が…だめ、私の体なのに…乗っとられ……いしきが……

………………
……………
…………
………
……


 二つの意識のせめぎ合いは、脳に直接侵入して侵食している僕の方が圧倒的に有利だ。
 半刻ほど時間がたった頃には、この身体を支配する意識は僕に換わっていた。
「うぅ……げほっ…げほっ…」
 気管にまで侵入したスライムにむせたながら自分の意思で呼吸をする。
 フラフラしながら立ちあがって、近くの木に背中を預けて身体を確認する。
 四肢を上手く動かすにはもう少し時間がかかるが、生命活動に必要な器官の支配は大丈夫。
 身体の持ち主だった人格も断片的にしか残っていない。これなら身体を奪い返される心配もなさそうだ。


 さらに時間をかけて同化を進める。
 多少の違和感はあるが、既にこの身体は完全に僕の物だ。
「ぁ……あぁ~~」
 生まれて初めて声を出す。高く澄んだ声だった。
 元々、自慢の声だったようで、良く口ずさんでいた鼻歌とかが頭の中を駆け巡る。
「今のが…この身体の記憶?」
 思ったより早く、この子の記憶や知識も引き出せるようになってきたみたいだ。
 たまたま『はち合わせた』だけで攻撃された時はどうしようかと思ったが、結果的に大物を引き当てれたみたいだ。
 
 僕らの種族は特性上、見た目に似合わず低位から中立の人型の魔物―トロルやゴブリン―より知能があり、奴ら程度の知能なら簡単に身体を支配下に置ける。
 この身体のような高位の魔物は―ここまで人に近い種族は魔族とも言われ―人間や他の魔物との棲み分けをしていて、滅多に御目にかかれない。
 嬉しい誤算だったが、その分乗っ取ってから安定するまで時間がかかる。
 元々この種族は魔力と知力が高く、本来なら僕が簡単に乗っ取れる相手じゃ無かったはずだった。
 が、それでも成功したのはこの子の性格のおかげだ。
 
「出会い頭に相手をバラバラにしてくるなんて、どっちが勘違いした低脳な魔物だよ。」
 バラバラにされた時の事を思い出して悪態をつく。
 プライドが高く、目の前にある者はなんでも破壊したがるちょっと残念な子だったみたいだ。
 しかも、プライドに見合った魔力と知識をもっているだけたちが悪い。せっかくの才能も、猪突猛進タイプには宝の持ち腐れだ。
 まあ、そのおかげで僕は新しい身体を手に入れたのることができたと考えると溜飲が下がる。

 改めて新しい身体を眺める。
「メスの身体か…」
 僕たちの種族は、単体で増殖するが、一応、力のある魔物を乗っ取る事が多い関係で精神的にはオスの方が多い。
 元の身体にそういう機能が無かった事もあり「性別」に対して結構興味があるし、下半身からも侵入した影響でさっきから身体が少し火照っている。
「……」
 ゴクリ、と唾を飲む。

 これは自分の身体なんだから何をしてもいいんだ!

 周りの気配を確認してから、胸を鷲掴みして感触を堪能する。
 小ぶりながらも、柔らかさが少しスライムに似ていてきもちいい。
20160623235437334.jpg
「おっぱいはそれなりにある、と。」
 同年代と比べたら大きいのが、密かに自慢だったらしい。…知識だけでなく容姿にも自身があったようだ。
「こういうのってナルシストって言うんだっけ?」
 いつの間にか直立していた、ピンク色の乳首をつまむ。
「ふああぁ…」
 ビリビリとした刺激とともに身体が小さく跳ねる。
 全身が熱くなり、いやらしい声が勝手に出てくる。
「はぁっ……ぁ……あん…」
 さらに気持ち良くなる為に、記憶を読み取りながら手を下半身へと動かす。
 ツルツルとしたそこへ指を這わせるとぐっしょりと濡れていた、軽く触れてるだけでゾクゾクとした快感が全身を駆け巡る。

 だけど、まだ足りない…

 この子の記憶にあって、まだやった事のない行為。
「…んうっ!」
 思い切って、這わせていた指を一本だけ大切な穴へと挿入する。
 ゆっくり入れようとしていたが、予想以上の濡れ具合だったせいでヌルリ、と勢い良く指が入っていく。
「ふ、ふああぁぁぁぁ……!」 
 第1関節までしか入ってないのに、気持ち良すぎて身体が弓なりに反って声が出る。
 さらに指を奥まで押し入れると、ブツッという鈍い感触と痛みが広がった。
「つうっ!」
 とっさに魔力を込めて膜を破った傷を治す。
 少し痛みが残るが、構わずそのまま指を動かす。
「あんっ!すごいっ!動かしただけでっ、ふあっ!ふああぁん!」
 想像以上の快感に、秘部からはいやらしい音が聞こえ、指が勝手に動く。
 身体がビクビクと痙攣を起こして頭の中が真っ白になる。
 
「もうだめぇ!イクぅっ、イっちゃうよぉ、…ああぁああぁん!」


…………


 挿入していた指を出したら、身体へ侵入した時に残った『僕の身体』の欠片と、この子の体液が混ざってヌラヌラと光っている。
 指についたそれを舐め取って、動けるようになるまでの間、余韻を楽しむ。
「はぁ…はぁ…この身体、すごくイイ…」
 さっきの自慰行為のおかげなのか、身体が一気に馴染んだ気がする。
 あそこまで激しいのはこの身体も初めてだったらしく、あれから暫く快楽をむさぼり続けた。もう少し楽しみたいけど、そんなことしたら時間に間に合わなくなってしまう。
 近くの水場で身体を綺麗にしたら、『ご主人様』の所に戻ろう。
「~~~♪」
 僕の身体の、お気に入りの鼻歌を口ずさみながら移動を開始した。

………………
……………
…………
………
……




 待ち合わせ場所にいた男性の元へかけ寄る。
「ご主人さまー!」
 こちらに気付いたご主人様は、僕の姿を見て驚いた。
「ご主人様!言われた通り、魔物の体を奪って来ました!」
 報告を聞きながら、何故か顔を赤くして目を反らすご主人様。
 あ、そうか。新しい体は人型の少女なのに、素っ裸だからだ。自覚した瞬間に恥ずかしくなる。
 ご主人様が慌てて羽織る物をくれた。ぶかぶかだけどご主人様の匂いがする。
「言い付け通り、強そうな魔物を探してたらこの体がいたんです。」

 ご主人様の職業は魔物使いと言うらしい。
 この職業は、魔物を捕まえて調教し、労働力として売り生計を立てるらしい。
 しかし、ご主人様はそれと同時に、僕のような品種改良された特殊なスライムを使い、他の魔物の体を乗っ取らせて捕まえるという方法をとっている。
 特殊なスライムのコストや育てる為にはかなりの知識が必要なため、あまり主流ではないが、この方法だと、調教の難しい凶暴な魔物でも手なずける事ができる。
 …この体の知識のおかげで以前は意味がわからなかった事が理解出来るようになった。

「偉いぞ!まさか魔族を見つけるとは…」
「えへへ…」
 この姿になった経緯を伝えると、初めは驚いていたご主人様も喜んで頭を撫でてくれた。
 身体に引っ張られているのか、スライムの時と違いそれだけで気持ちよくてうれしくなる。
 ご主人様曰く、この身体の魔物は滅多にお目にかかれない珍しいものらしい。しかも、偶然とはいえ捕獲までしたのなら、ご主人様の知名度も上がるという。
「この体の知識もちゃんと残ってますよ!」
 僕らの種族は、魔物を乗っ取る特性から奪った体の能力をそのまま使える。
 この種族特有の魔術などを研究する資料なんかにも困らないはずだ。
「ふむ…その体なら…魔術の研究なんかに使えるな。どこかの研究機関か…いや、」
 こちらを見ながら値踏みする。
「俺の手元に置いて使用人もいいな。」
「本当ですか!」
「ああ。」
 売り払うより、手元に置いてこの身体の知識を売ったほうが金になるそうだ。それに、そろそろ使用人を雇いたかったらしい。
 と、そこで気付いた。
「この体の構造は人間と殆ど一緒のはず…」
 つまり、そういう方面の事をされる可能性も出てきた訳だ。この身体はまだ幼いかもしれないが、容姿は可愛い。
 無論、淫魔系列の魔族じゃないからそっちの知識は疎いが、さっきの自慰を思い出し、あれよりも気持いならいいかもと少し考える。 
「ご主人様となら、気持いんだろうなぁ…」
「どうした?」
「な、何でもありません。」
 この体の影響で、以前にはなかった感情が生まれたようだ。
「さて、帰るか。」
「はい!ご主人さま。」

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No title

この作品某所でみた時から大好きです。
永続的な乗っ取りってときめきますw
これからも楽しみにしてます。

Re: No title

> この作品某所でみた時から大好きです。
> 永続的な乗っ取りってときめきますw
> これからも楽しみにしてます。

ありがとうございます!この作品は自分でも結構思い入れありますね

No title

某所に書いてあるのを読みましたね。
まさかこんなところで作者さんのサイトにぶち当たるとは・・・

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Author:N.D
TSFで特に憑依が大好物です!あまり更新するか分かりませんが、以前書いた小説とかを載せてく予定です。


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